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厚生労働科学研究をより良くするために努力していることについて
厚生労働科学研究は、「国民の健康の保持・増進」という大きな目的を持つ大切な研究です。21世紀の国民生活において最も重要な価値の1つは「健康」であり、国民の健康への関心は非常に高く、健康食品やスポーツなど健康増進につながる生活様式がますます重視されるようになってきました。同時に、国民が、がんや糖尿病などの疾病から健康回復するための医療や老後の生活・介護に大きな関心と不安を抱いている現実もあります。厚生労働省は、国民の皆様が求める「安全・安心」を提供することが出来るよう、日本のライフサイエンス(いのちに関わる科学)施策の中核的役割を担うべく、厚生労働研究をより良くするために様々な取り組みを進めています。
その努力の一端をご紹介します。
1. 厚生労働科学研究の改善していきたい点について
厚生労働科学研究は、現在、総合科学技術会議からも高い評価を得ております。厚生労働省では、厚生労働科学研究をより良くするために、総合技術会議からの指摘や国民の皆様からの意見も参考に、検討を続けています。今後の中長期的な厚生労働科学研究の在り方を考えるため、平成16年11月より専門委員会を開催し、以下のような点を改善するために、議論を進めています。また、戦略的な研究を進めるため、新たな取り組みを始めました。
(例)
- 研究の目的の明確化と公募課題のより適切な設定
=研究の課題は国民に役立つものか?厚生労働科学研究の目的に合うものか? - 研究成果がきちんと出るようなプランの練りあげ
- 研究内容・目的に応じた期間・規模の設定
2. 戦略的アウトカム研究”とは・・・
これらを解決し、より良い研究を行うため、検討を重ねました。そこで、生まれたのが、「戦略的アウトカム研究」です。平成16年8月より「戦略的アウトカム研究策定に関する研究」班会議を設置し、現在、準備を続けています。
その、「戦略的アウトカム研究」とは・・・・
戦略的な大型の資金配分による確実な課題解決の必要性により創設された、新たな成果契約型の研究課題で、国民の大局的課題となっている疾患・障害等について、5年後の成果目標を設定し、戦略的に大型な資金配分を行い、確実に議題解決を図ることを目的としています。
3大死因による死亡率の上昇、糖尿病ハイリスク者の急増等の問題等、様々な対策によってもなお改善されない健康課題に積極的に対応するために厚生労働科学研究費補助金をさらに効果的に活用するための研究です。
疾病・障害予防対策に融合する新たな次元での研究課題を設定し、より大型で戦略的かつ効果的な保健・医療・福祉・産業の連携による実践的研究の振興が期待されています。
3. 今後の中長期的な厚生労働科学研究在り方検討委員会の御紹介・・・
国には、科学技術の裾野を広げる責務があり、厚生労働省には厚生労働分野での貢献が期待されています。「国民の健康の保持・増進」という大きな目的のために、厚生労働省では、従来の厚生労働科学研究による研究成果を活用すると共に、さらに厚生労働行政と研究成果を直結させ厚生労働政策全体にさらに効果的に活用できるよう、新たな次元での研究の在り方を検討しているところです。
このような流れに沿って、平成16年11月26日に「第一回今後の中長期的な厚生労働科学研究の在り方に関する専門委員会」を開催し、以降、活発に議論を続けています。
主な議論の要点
- 厚生労働科学研究の目的の明確化や位置づけについて
- 研究の枠組の見直しについて
- 研究評価の在り方について
- 研究課題・分野設定の在り方について
- 申請事務・交付事務の効率化について
- 人材育成について
- 研究事業の透明性・説明責任の確保について
- 研究事業の社会的貢献の重視について